平成25年9月21日(騒音対策について)(41)
騒音測定の結果説明のときに、どう考えたら良いですかと聞かれるこ
とがある。
その時に、騒音防止の基本を3点に分けて説明するときがある。
1.発生源対策
1-1 音源探査などしない場合(探査するまでもなく、音源や音種
がわかっている場合)
・冷却や点検等がない音源の場合→音源の囲い込み(エンクロー
ズ)
・静穏化機器への変更など(ベアリング、歯車や伝達軸などのア
ライメント調整、給脂など)
・苦情となっている時間帯のみ対象設備の運転制御(停止も含め
て)を行い、静穏化する
1-2 音源探査等を行った場合。
・音源周辺の囲い込み(遮音)や吸音材の使用
・固体音として二次的に音源になっている場合→固体振動防止対
策を施す
2.伝播経路対策
2-1 音源が判っている場合
・受音点までの距離を長くするか、直達しないよう遮蔽物を置く
・音源位置(向き)を変える
・遮音塀を設ける
・受音点側の壁等の吸音(遮音)対策を行う(周波数に応じて)
2-2 音源(漏洩音)が不明な場合
・音源(伝播経路)を探査し、2-1の対策を行う
・漏洩音と設備の同期測定を行い、寄与の大きい設備を探して
2-1の対策を行う
・設備の同期測定が無理な場合は、設備の振動加速度測定を行い
、周波数と振動加速度から、寄与の大きい設備を探し、2-1の
対策を行う
3.受音点対策
音源と受音側で音の大きさと周波数分析の同期性を確認する。必ず
しも音源と受音側の卓越周波数が一致するとは限らない
→音響抵抗の小さいサッシや吸排気口からの音が入って来るようで
あればサッシ性能等を上げたものを付けて、室内騒音を小さくす
るようにする。周波数によっては、直近の部屋でなく隣接した部
屋で騒音を感じる場合もある(室内寸法により共振している場合
もある)
なお、当社は測定・調査会社なので工事等は行っていない。
平成25年10月8日(騒音と音の違い)(42)
騒音とは、「好ましくない不快な音」を総称しており、ほぼ同内容の
意味でJIS-Z-8106(音響用語)では「不快な又は望ましくない音、
その他の妨害(noise)」として定義されている。受音者の制御不能
な音とでもいえなくも無い。
「騒音・振動測定の基礎と測定
(一般社団法人 日本騒音制御工学会編)から引用)」
現在でも音の測定に騒音計(JIS-C-1509ではsound lebel
meter)を用いているが、必ずしも不快な音ばかりでなく、オーディ
オの出力特性や残響時間など測定している。
今後も、音の分野(心地よさ、質感など)でも騒音計を使うことにな
るが、依頼者からすれば、音(音響)であり、騒音ではないというこ
ともあり、サウンドレベルメータで測定させていただきますと言って
いる。
昔、車の購入時に外見やサイズ、エンジン特性、価格などカタログ上
で絞りこんでいた。
実車を見に行って、ドアやハッチバックの閉めるときの音が「バシャ
」とした時には、興ざめして、違う車を見に行き、同じようにドアを
閉めたとき「バン」と重厚な音がして、剛性感と安心感があり、現在
の車にした。
音と捉えた場合、色々な情報が含まれ、人(性差、年齢、趣向など)
の感性に依存するため、その評価もラウドネス、シャープネス、ラフ
ネス、他がある。
平成25年12月20日(近畿計量大会に参加して(1/2))(43)
11月13日に滋賀県大津プリンスホテルで近畿計量大会があり、出席
した。
講壇者は、滋賀県知事、大津市長代理(いじめ問題で忙しいらしい)
、草津市長、元計量教習所所長、武村正義氏であった。
元計量教習所所長の話では、日本のキログラム原器も数年おきに基準
原器と確認するために、水蒸気洗浄をしているとのこと。 これをし
ないと数マイクログラム窒素酸化物等が付着して重量が増えるらしい
。 そこで、以下の改定案が出た。
現在:国際キログラム原器の質量。
改定定義案:ワットバランス法(キログラムとは、周波数が〔光速の
2乗〕÷プランク定数h)ヘルツの光子のエネルギーと等価な質量と
なる。 ということで今後、質量の定義が変わるらしい。
講演会後に元計量教習所所長に以下の質問をした。
①E=mc2と関係があるのですか。
→関係がある。(参加者の反応・質問が無いので少し残念であっ
たらしい。)
②物理の世界では、理論物理で新しい素粒子や理論が実験物理で証明
され、単にこれが1kgですでは、整合が取れなくなったということ
もあるのですか。
→上記のキログラム原器での質量変化や普遍的な考え方に変える
必要があった。
現時点の科学で質量の定義をして、最新の科学で定数等は変わるべき
であり、時代に追随するために、常に最新の科学を学び続けてほしい
。 ということであった。
講演風景
平成26年01月29日(近畿計量大会に参加して(2/2))(44)
11月13日に滋賀県大津プリンスホテルで近畿計量大会があり出席し
た。
講壇者は、滋賀県知事、大津市長代理(いじめ問題で忙しいらしい)
、草津市長、元計量教習所所長、武村正義氏であった。
次に元政治家の武村正義氏の国債についての講演があり、概要は以下
のとおり。
国債は、減らさないとEUどころではなく深刻な状態になる。
(当社とHPには関係は無いが個人的に教えてもらいたかった。従って
雑談程度の内容)
質問時間が与えられたので、以下の3点について質問した。
①国債は、減ったことが無いのですか? バブルの時などに箱物に税
金をつぎ込んでいたが、なぜ、少しでも余裕が出来た時に減らそう
(返そう)としなかったのか。
→バブルのときは国債の伸びは小さかった(鈍化)が減るまでに
は至らなかった。
②家計で言えば、借金の返済に余裕が生じれば利息も付くので返済を
考えますが?
→時の権力者に提言したが、景気が萎縮するとかの理由でされな
かった。 又、国債にも種類があり、建設国債は、インフラ整
備のために行い、全てが悪いというものではない。
③人口動態を考えれば人口減でいろいろとアセスなど試算すれば必要
なものと十分なものに分けてインフラ等を精査すればここまで国債
が増えなかったのでは? 又、老齢化に伴う医療費増等も考慮すべ
きだったのでは?
→事業計画等は数十年単位で決めることもあり、一旦動き出した
ものは容易には止められない。又、省庁間の省益を損ねること
はしない。
ありがとうございました。政治に疎く、理解力も不足しているので十
分消化していませんが、国債は減らないということはわかりました。
平成26年06月19日(京都府環境計量証明事業協会 第36期通常総会に参加して) (45)
平成26年6月4日(水)にルビノ京都堀川で通常総会の後、「宇治茶
の歴史と魅力」の講演があり、概要を報告する。
講師:京都府農林水産技術センター茶業研究所 専門官
一般的な歴史では、16世紀の後半から茶の木(つばき科らしい)を京
都の宇治川流域で栽培されたとされる。
茶に適した条件として適度な川霧など太陽光が弱くなる(日陰など)
ところの方がおいしいお茶ができ、肥料(人糞)が京都の下流域のた
め、入手が容易という理由で宇治らしい。
初めの頃は、製茶技術が確立していなかったために、現在のような緑
色のお茶は無かった。
後に、お茶を大きな鉄板の上で揉みながら、乾燥させて酵素(ポリフ
ェノールオキシダーゼ)を失活させ、きれいな緑色のお茶の製法(宇
治製法?)が確立した。
茶畑にたまに見られる黒い覆い(覆い下栽培)は、茶葉に光ストレス
を加え、少ない光で最大の栄養素(葉緑素、旨み成分〔テアニン他〕
)と覆い香の主体であるDMS(ジメチルスルフィド)を作らせるが、
渋み・苦味のカテキン類の生成は抑制される。
しかも葉が薄くなるので、お湯を入れた時にふわっと開き、旨み成分
が先に出るので良いらしい。
宇治のお茶は、天領で指定の茶師(上林氏他2師)により作られ茶壷
に入れて、天皇と将軍に献上されるのであるが、天皇(京都御所)に
献上する時は、最短距離で運ぶのではなく、わざと各大名屋敷の前を
通り、その道がでこぼこして茶壷が揺れると一大事であり、道の管
理責任者である大名家の責任が問われるため、道を整備し、茶壷の運
搬人に揺すらないようにお願いしますと心付けがあり、「ゆすり・た
かり」の由来とも言われている。
宇治茶の定義については、木津川流域でとれたお茶を宇治茶と称する
らしく、日本茶(緑茶?・宇治茶?)9万t/年の中で京都にて生産さ
れた宇治茶は3000t/年で更にその1/3が抹茶であり、量としては非
常に少ない。また、先の茶葉に光ストレスを加え、木が弱り、回復さ
せるために1番茶だけ摘むとのこと。
上記内容は、メモ書きと記憶のため、正確さについてはご容赦頂きた
い。
京都府環境計量証明事業協会では年2回(通常総会と年始の総会)に
は、趣向を凝らした講演があり、楽しみにしている。
平成26年07月18日(煩音(はんおん)と騒音(そうおん)) (46)
「苦情社会の騒音トラブル学(新曜社 橋本典久氏)」によれば、今
まで騒音が関係する案件は、騒音トラブルで片付けられていた。
しかし、同じ騒音であってもそれを問題にする人とそうでない人がい
る。
例えば、上階で子供が歩く音が下階に伝わる。両者が良好な関係の家
族の場合ならば、うるさいなあ(元気だなあ)程度で済む場合がある
。
しかし、アパートのように他人が住んでいて、以前静かにしてくださ
いとお願いしたにも関わらず無視された場合などは、怒りに変わる場
合がある。
本書では、煩音(はんおん)は橋本典久氏の造語であるが、煩わしい
音であり、騒音レベルが小さく、周波数的に聞き取りにくい音や定常
的でなくとも嫌悪感が増幅する。
その人の心理状態や人間関係(近所づきあいや挨拶程度でも可)が悪
いと、煩音(はんおん)に変わり、トラブルが起き易い。
騒音に悩んでいる方は、騒音解決、対策、どうすれば良いか等、詳し
く書いてあるので一読されたら如何だろうか。 なるほど・・・ふむふ
む。
平成26年12月18日(低周波音の建物内音圧レベル分布について) (47)
日本音響学会誌70巻11号 小特集 低周波音に関する最近の話題よ
り抜粋
(一財)小林理学研究所で最近低周波音発生装置が開発され、3~
80Hzの低周波音が発生できるようになったとのことで、模擬家屋に
向けて低周波音を放射したレポートの抜粋を紹介する。
1.音源(低周波音発生装置)と模擬家屋の距離は10mであり、
4Hzの低周波音を放射した時は、模擬家屋までの10mと模擬家屋
内3m背後7mに音圧レベルの変化が無かった。
(壁面やガラスでの減衰がない・・・すりぬけて幽霊みたい)
2.同条件で周波数が12.5Hzの場合は音源よりも模擬屋内の音圧レ
ベルの方が高くなった。(ガラスの固有振動数も影響しているら
しいが、他要因も連成している可能性あり)
3.同じく25~40Hzでは模擬家屋ガラス面で最大6dB上昇し、入射
・反射音の定在波の形成も示唆している。
4.家屋内寸法(高さ・幅・奥行)から周波数の1/2波長の定在波の
発生可能性もある。
5.室内の周波数による音圧分布が異なる。10Hzまでは1dB程度の
差が、12.5Hz以上では室内で最大10dBも差がある。
(経験上ある周波数以上ではよく感じる位置もある)
今まで、室内の測定点を決めるときは、室内中央か、低周波音計の
G特性値を見て決めていたが、これほど周波数により音圧レベル分布
に差があるようならば対象周波数により、多地点測定も考慮する必要
がある。
判りやすいコンター図等もありますが、著作権もあり、ここでは記載
できないのでイメージし難いですね。
平成27年4月13日(低周波音の特徴について) (48)
日本音響学会誌70巻11号 小特集 低周波音に関する最近の話題よ
り抜粋
1.距離減衰が小さい超低周波が存在する。
例:過去の大規模な火山噴火(1883年インドネシアクラカタウ
火山)では約6000km離れた東京気象台(当時名称)で約
1.5hPaの気圧上昇があり、超低周波音と考えられる伝播が
あった。
軍事目的では、核爆発実験など音源箇所の同定もされてきた
。CTBT(包括的核実験禁止条約)によるインフラサウンド
監視ネットワーク(全世界で60箇所/2010)がある。
2.水中では低周波音の減衰が小さい。
例:潜水艦等の探知に使用されており、特に水中の通信用にSOF
ARチャンネルと呼ばれる超長距離音響伝播が可能な周波数
帯が存在している。
3.音声コミュニケーションしている動物がいる。
例:象やクジラ等は20Hz以下でコミュニケーションをしている
とのこと。
平成27年4月22日(カルマン渦音) (49)
カルマン渦とは、流体(液体、気体)流がある時、障害物の後方に発
生する渦で障害物を振動させると同時に後方に周期的な渦が発生・干
渉し圧力変動から音圧・周波数の変化が二次的に発生する。
カルマン渦から発生する音の周波数は、時間当りの渦の数と比例し計
算式がある。
ここでは、身近な実例を以下に挙げる。
ベランダの柵に強風が当たったとき、柵の後方に渦流が発生し、ヒュ
ーとかビューとかの音が発生する。高層マンションでは、柵を流線型
にしてカルマン渦の発生を小さくして騒音対策をしている。
以前、日本騒音制御工学会の研修に参加したとき、講師が、無人の家
からおばけの声がするという相談を受けて調査したところ、確かに風
が吹いた時に「ひゅー、びゅー」という不気味な音を確認し、後日調
査したところ、物干し竿に風があたり、カルマン渦を発生させていた
と考え、物干し竿を床に下ろしたら止まったとの事だった。
平成27年4月30日(送風機の流量制御) (50)
送風機の流量制御には大きく分けて以下の2つがある。
1.ダンパー開度調節
吸込側のダンパの開度(角度)調整を行い、機械的に流量制御する
。
メリットは、構造が簡単であり、初期費用やメンテナンスコストが
安い。
デメリットとして設計流量から流量を極端に下げると、低音域の音
が出やすい。
2.モータ回転数制御
モータの回転数をインバーター制御することで流量調整を行う。
メリットは、回転数を下げることにより流量も下がり、音圧レベル
もほぼ全体に下がり、騒音対策になる。必要流量に対してインバー
タ制御をフィードバックさせれば自動的に制御できる。
デメリットは、初期費用が制御装置分だけ高くつく。また、設置環
境(酸性ガス等)対策も必要。 インバータ制御装置からの電磁騒
音が可聴音で発生する可能性があるのでその対策が必要である。
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